プリマモーレ

縦使いにレットアウトされたミンクコートを横使いにリメイクできます。
プリマモーレ(初恋)はイタリー語、ミンクは誰もが最初に恋する毛皮です。

横使いにすることによってカジュアル感がでます。
またストライプ間に入るストレッチテープにより、軽く、やわらかになります。
さらにミンクの頭部部分がカットされることにより軽くなります。
デザインにもよりますが、同一のコート面積ならおよそ500gから1000g軽くなります。
このシリーズのリメイクは大変好評でこの3年間に340点させていただきました。
後ろ背身頃~袖山~前胸身ごろは一枚の連続したパタンで毛皮も同様に縫製いたします。

 

PA=8 横使いハーフスリーヴに

オリジナル デザイン画 フロント サイド
ismt-orb

ismt-orf

ismt-dsn ismt-rmf ismt-rms

このプリマモーレという加工方法が使えるのは、毛皮にはレットアウトという技術があるからです。
本来ミンクなどの毛皮は、3mmほどの太さにカットされたピースを0.5~3cmずらして縫い合わせています。
この一部をほどいて、縫い直すわけです。もともと手をかけて、縫い合わせたミンクのコートを
袖はバッグに、身頃はベストにというカットリフォームの前に、もう一度毛皮を生かしてみてください。
そんな思いで、お客様のご要望に答えられるよう心がけています。

PA=7 ブラックミンク・ジャケット を横使い、ベルスリーブのジャケットに

ブラックミンク とデザイン 分解して割り当てます 横使いにストライプの修正 少しオフネック
ogw-orgオリジナルのジャケット
img186
CIMG0275デザイン画とサンプル
分解した左身頃
ogw-org1パタンのフワリに合わせて原皮を割り当てます
CIMG3996
パタンに合わせてストライプを修正します
CIMG3998レットアウトの修正が終わった新しい左身頃
CIMG4007
ogw-rf1
ウエストをシェイプ トワールで仮縫いします 袖口は45cm

 

PA=6 マホガニーポンチョをダブルの横使いジャケットに

20年ほど前
マホガニーミンクの出始めの頃
お求めになったものです。
edanoold edanonew

 

PA=5 パールミンク・ブルゾンをウエストシェイプのジャケットに

30年ほど前
香港で求められたそうです。
fktO fktN

 

PA=4 サファイアハーフをショートジャケットに

まだ変色のまったくないサファイア。
ビッグファッションの頃のデザインでほとんど着ずにしまっておいたそうです。
knmrO knmrN

 

PA=3 パールミンクコートを横使いコートに

ま基本的にもとのコートのフレアー(すそ周り)の半身が新しい着丈になるわけですが、
(1)レットを戻して幅出しすること
(2)ストライプ間、さらにグラッツエン間にも1cm幅のストレッチテープを入れることにより
着丈を出すことができます。
ymmt-org デザイン画 ymmt-dsn CIMG1920
wshapelet ウエストシェイプのロングコートを幅 出しして横使いに ymmt-skn 一部原皮のレットの戻しが不可能でしたので、新原皮に取替えました。

 

PA=2 2着のハーフをフード付80cm丈に

2着のダークミンクハーフ
一方は逆毛でした。
フードコートは長年の夢だったようです。

デザイン 画htr.dsn htr110

 

PA=1 斜め使いのセーブルコートをボレロ風ジャケットとポンチョに

1点から
オフネックのハーフとポンチョ製作
KIF_0837
kwgoe-offnek
KIF_1034 KIF_1254
半裁の斜め使いでした セーブルは毛足が長いので
2cm幅のストレッチテープを入れることが可能 です

 

縦使いを横使いへの直す方法

stO縦使いのコートを File0008デザイン画に合わせてトワール仮縫い pahblsckyoko横使いに画
File0007オリジナルコートの有効面積と新しいコートの必要面積を調べます ptn-yoko横つかい用のパタン
yokofg一本づづストライプを分解します let-habadasiレットを戻し巾を調整し、カーブをつけます yokofgストライプ間にストレッチテープを入れます

プリマモーレとはミンクを横使いにレットアウトして、ストライプ間に、以前にはレザーテープを使用しましたが、柔らかく、仕上げる為、ストレッチ性のある素材を使用したアラン工房独自の縫製とネーミングです。

ネーミングには慶応大学の哲学者:故 沢田充茂(さわだ のぶしげ)氏の「昭和の一哲学者」のなかよりヒントを得ました。
ミンクは誰もが最初に恋する毛皮です。

私も父が持っていたゴルフのクラブを袋に入れて、何本かあるのを担いで、銀座のどこかに売りに行った事を覚えている。
父がイタリーで買ってきた「プリマ・アモーレ」(初恋)と書かれたていた大理石の彫像や、マコフスキーというロシアの有名な画家の農民を描いた 大きな絵も売ってしまった。

沢田充茂(さわだのぶしげ)著 「昭和の一哲学者」より 慶応義塾大学出版会株式会社 2003年出版