外から見ると余りたいしたヤブレではないと見えましたが、
裏を開けてみたら、どうしようもないチンチラのヤブレ直し。
まだミシンがかかるといいのですが、今回はとても無理でした。
それぞれのピースを裏から、カナキン接着テープと布テープで
接着していかざるをえません。
(1)最初に5mmテープで3cm間隔にほつれ線に交差するように
縦に止めてゆきます。
(2)2.5か3.5cm幅テープで横方向に貼ります。
(3)最後にボデーかマンジュウに乗せて、ストールのカーブを出しながら
6cm幅テープで全面に貼ります。アイロンを弱で接着芯を抑えます。
計3枚の接着布で補強したことになります。
(4)最後に毛面からピースのなくなっている部分に当て原皮を手縫いします。
使用する道具は
(1)ピック(目打ち):毛を入れます。チンチラは非常に細かい毛なので
テープに着くと接着力がほとんどなくなります。
(2)小ハサミ
(3)アイロン:毛面に手の平を当て、温度を確認しながら押さえます。
で済みます。
接着布と当て原皮がミソです。
昨年12月日本に移住されて来た方が、コートが1着しかまだ届いていない。
そのコートに古いフォックスの衿がついていました。もう前足下の部分がボロボロでした。縫い合わせることができません。そこで上記のような方法で当て原皮をしました。私は毛皮は捨てられたくはないのです。
今回は小ぶりのストールで余り力のかからないものでしたので、お直し出来たのだと思います。原皮を取り替えとなると経費もかさみます。